Last updated on 2023年2月24日
はい、雑なやり取りから入りましたが、みなさんこんにちは。
RPAツールといえば「誰でも簡単に開発ができ、業務を自動化できる!」と言われていますが多少なりともプログラムの知識が必要になります。
それを知らずに取り組みを始め、途中で頓挫してしまうということも多いです。
そして、その原因のほとんどは、変数/ 引数 もしくは VB.Netメソッド に関連するものだと感じています。
今回は、その中でも最も基本となる変数について扱ってみたいと思います。
変数ってなんですかニャ?
Contents
変数の理解
変数とは何でしょうか。
Wikipediaを参考にしてみましょう。
プログラミングにおける変数(へんすう、英: variable)とは、高水準言語のプログラムのソースコードにおいて、扱うデータを読み書きする記憶域 (storage) のことであり、固有の名前(識別子)によって識別される。変数を用いることで、データを一定期間記憶し必要なときに利用することができる。
Wikipedia
プログラミングと書かれていますが、そこはRPAと置き換えても問題ありません。
色々日常では使わないような言葉も利用されており混乱されるかもしれませんが、簡単に言えば変数とは何かしらの値を保持しておくことができる仮想的な入れ物といえます。
入れ物である以上好きなときに(値を)入れたり、また必要なときに(値を)取り出すことができると考えてください。
また、入れ物がたくさんになってしまい見分けがつかなくなるのを避けるために、それぞれに名前をつけることができます。
変数は、入れ物なんだニャ
あとで使うときのために値を入れてとっておくことができるニャ
変数を利用するメリット
いままで変数という言葉を耳にしたことがない方から受ける質問で多くを占めるのが、「変数のメリットって何?」という質問です。
個人の経験からの話となりますが、RPAで変数を利用するメリット次の通りだと考えます。
- 同じ値を繰り返し使えそれらを一元管理できる
- 業務の仕様変更に対応しやすい
- 命名することで値の意味がわかる
- より高度な業務へ対応できる
同じ値を繰り返し使えそれらを一元管理できる
変数を利用することで同じ値を毎回書き込む必要がなくなります。
変数を利用しない場合の方法として実際の値を直接書き込む方法があります。
もちろんこれ自体は何も問題ではありません。
しかし、もしこれが複数箇所で利用する値であった場合どうでしょうか?ファイルパスなんて何回も利用する可能性は大です。
もし変数を使わない場合はその長ったらしいファイルパスを毎回書き込む必要が出てきてしまいますが、変数を利用することでこのような作業を簡略化することができます。
加えて、一元管理をすることができるのでワークフロー内で使った値を把握することができるようになります。
開発したワークフロー全体の中からこの値を利用した箇所をすべて見つけて書き直す必要が出てきてしまいます。
変数を利用すれば、たとえ利用する値が変更されたとしても変数の既定値一箇所の変更で済ませることができます。
業務の仕様変更に対応しやすい
1つ目のメリットとして毎回値を書き込む必要がなくなると書きましたが、その延長で変数を利用することで業務の仕様変更にも対応しやすくなります。
さきほどファイルパスの例を出しましたが、ファイルの場所は毎回かわったりすることがあるかもしれません。
また、業務で利用しているウェブサイトURLが変わってしまうということもあるかもしれません。
この場合ワークフローからその値を書き込んでいる場所を特定し都度書き換える必要が出てきてしまいますがそれは大規模なワークフローになればなるほど現実的ではなく探す労力が必要となってきます。
変数を利用していれば、たとえワークフロー内で100箇所使っていたとしても変数パネルから一箇所変更すればそれで対応できてしまいます。
命名することで値の意味がわかる
これは第三者視点で考えてみてください。
例えば、郵便番号の入力処理を行うワークフローを開発する際、”100-0000″ と直接数字で入力するのと変数を使い” 郵便番号” と入力するのではどちらが処理内容をイメージしやすいでしょうか。
個人差はあるかもしれませんが、処理内容を知らない第三者からすれば明らかに後者だと思います。
「あ、郵便番号を使っているんだな」と容易に想像できると思います。
RPAを使い始めたばかりの方は、日常業務で利用している実際の値を書き込んでしまっているかもしれません。
他の人にもわかりやすくという点も考慮するのであれば、名前をつけた変数の利用も検討してみてください。
より高度な業務へ対応できる
変数を利用することで動的な処理の開発を行うことができる様になります。
動的な処理とは、流動的に処理の一部が変わることを意味しています。
わかりやすい例が、処理日付を入力する必要があるシステムなどがそうでしょうか。
処理日付は、毎回値が変わるため実値で開発を行うことができません。
この場合は変数を利用し、実行の段階で値を取得するような開発を行います。
高度な開発と書いていますが、実際の現場で人が行っている内容の殆どがこれに含まれます。
つまり、今まで人が行っていた業務を自動化する場合はこのような変数の使い方をマスターしておく必要があるということです。
変数の管理
UiPathでは、UiPath Studio の下側にある変数パネルで変数の管理を行います。
[変数] と書かれたボタンをクリックすることでパネルが開閉し一覧の表示が行えます。
変数の作成
変数を作成する方法には2種類の方法があります。
それぞれ一長一短であるため、ケースバイケースで使い分けてください。
- 変数パネルを利用する
- 【ctrl】+【k】を利用する
変数パネルを利用する
変数パネル上の変数を作成ボタンをクリックすることで新しい変数の作成を行うことができます。
変数の名前、変数の型、変数のスコープをすべて適切に選択する必要があります。
それぞれのパラメータの役割は次のとおりとなっています。
特に、変数の型については、最初不慣れ時期においてエラーの原因となるケースが多いです。
少しずつで良いので型の種類を意識し、覚えながら開発をすすめてみてください。
名前 | 変数の名前を設定します。 日本語入力対応しています。 |
変数の型 | 変数の型、つまり入れ物の形を指定します。 ここはある程度勉強が必要になります。 |
スコープ | 変数を利用可能なアクティビティの範囲を設定します。 特に意図がない場合はベースとなるフローチャートもしくはシーケンスを指定することをおすすめします。 |
既定値 | 変数に設定する初期値(もとから入っている値)を設定します。 入力は任意です。 |
【ctrl】+【k】を利用する
もう一つの方法として、【ctrl】+【k】のショートカットキーを利用する方法があります。
これはUiPathの各アクティビティの値が設定可能な欄において、【ctrl】+【k】を押すことで変数を作成する方法となります。
この方法の特徴として、変数の型が適切な型に自動的に設定され、スコープが最も狭い範囲に設定されます。
最後に
今回は、変数とはから始まりUiPathにおける変数の管理・作成方法について書いてみました。自動化の開発を始めた時の最初の壁は変数だと勝手に思っています。この記事がその理解を助ける上で少しでも参考となれば幸いです。
ご不明点等あれば気軽にコメント等ください。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございます。
では。