Last updated on 2022年8月14日
UiPathでもプログラマーには馴染みの深い変数というものを扱います。
この変数ですが、自動化をおこなっていく上では避けては通れない概念となっています。
本記事では変数の概要および使い方ついてまとめてみたいと思います。
本記事では、UiPath Ver 2021.10.4 を使用しています。
Contents
変数とは
変数とは何でしょうか。
Wikipediaを参考にしてみましょう。
プログラミングにおける変数(へんすう、英: variable)とは、高水準言語のプログラムのソースコードにおいて、扱うデータを読み書きする記憶域 (storage) のことであり、固有の名前(識別子)によって識別される。変数を用いることで、データを一定期間記憶し必要なときに利用することができる。
Wikipedia
プログラミングと書かれていますが、RPAも広い意味でプログラミングの一種なのでRPAと捉えて問題ありません。
日常では使わないような言葉も利用されており混乱されるかもしれませんが、簡単に言えば変数とは何かしらの値を保持しておくことができる仮想的な入れ物(ストレージ)といえます。
入れ物である以上好きなときに(値を)入れたり、また必要なときに(値を)取り出すことができます。
また、入れ物がたくさんできてしまい見分けがつかなくなるのを避けるために、それぞれの入れ物に名前をつけることができます。
これを変数名などと言ったりします。
変数を利用するメリット
概念的に少し難しい変数ですが、利用するのはそれなりにメリットがあるからです。
RPAで利用するメリットは次のようになります。
- 同じ値を繰り返し使えそれらを一元管理できる
- 業務の仕様変更に対応しやすい
- 命名することで値の意味がわかる
- より高度な業務へ対応できる
同じ値を繰り返し使えそれらを一元管理できる
変数を利用することで同じ値を毎回書き込む必要がなくなります。
変数を利用しない場合の方法として実際の値を直接書き込む方法があります。
もちろんこれ自体は何も問題ではありませんが、もしこれが複数箇所で利用する値であった場合どうでしょうか?
変数を使わない場合はその長ったらしいファイルパスを毎回書き込む必要が出てきてしまいます。
変数を利用することでこのような作業を回避することができます。
業務の仕様変更に対応しやすい
変数を利用することで業務の仕様変更にも対応しやすくなります。
例えば、業務で利用しているファイルのパスが変わってしまうということがあるかもしれません。
この場合ワークフローからその値を書き込んでいる場所を特定し都度書き換える必要が出てきてしまいますがそれは大規模なワークフローになればなるほど現実的ではなく探す労力が必要となってきます。
変数を利用していれば、たとえワークフロー内で100箇所使っていたとしても変数パネルから一箇所変更すればそれで対応できてしまいます。
命名することで値の意味がわかる
変数に名前をつけることでどのような目的・意味を持たせた値なのか第三者を含め共通認識を持つことができます。
例えば、郵便番号の入力処理を行うワークフローを開発する際、100-0000 と直接数字で入力するのと変数を使い ”郵便番号” と入力するのではどちらが処理内容をイメージしやすいでしょうか。
処理内容を知らない第三者からすれば明らかに後者だと思います。
「あ、郵便番号を使っているんだな」と容易に想像できると思います。
RPAを使い始めたばかりの方は、日常業務で利用している実際の値を書き込んでしまっているかもしれません。
他の人にもわかりやすくという点も考慮するのであれば、名前をつけた変数の利用も検討してみてください。
より高度な業務へ対応できる
変数を利用することで動的な処理の開発を行うことができる様になります。
動的な処理とは、流動的に処理の一部が変わることを意味しています。
わかりやすい例が、処理日付を入力する必要があるシステムなどがそうでしょうか。
処理日付は、毎回値が変わるため実値で開発を行うことができません。
この場合は変数を利用し、実行の段階で値を取得するような開発を行います。
高度な開発と書いていますが、実際の現場で人が行っている内容の殆どがこれに含まれます。
つまり、今まで人が行っていた業務を自動化する場合はこのような変数の使い方をマスターしておく必要があるということです。
変数の管理
UiPathでは、UiPath Studio の下側にある変数パネルで変数の管理を行います。
[変数] と書かれたボタンをクリックすることでパネルが開閉し一覧の表示が行えます。
変数のパラメータ
変数にはパラメータとして、[データの型][スコープ][既定値] を設定することができます。
ここでの[スコープ]は変数が利用できる範囲です。
[スコープ]は可能な限り狭く設定するようにします。
広くしてしまうと一度に表示される変数が膨大となりバグの原因となりますのでやめましょう。
パラメータについて下記に、UiPath公式 の表を貼っておきますので参考にしてみてください。(自動翻訳なのか微妙に実値ち異なってますね。。)
おまけ:変数を作成する
変数を作成する方法には2種類の方法があります。
それぞれ一長一短であるため、ケースバイケースで使い分けてください。
- 変数パネルを利用する
- 【ctrl】+【k】を利用する
変数パネルを利用する
変数パネル上の変数を作成ボタンをクリックすることで新しい変数の作成を行うことができます。
変数の名前、変数の型、変数のスコープをすべて適切に選択する必要があります。
【ctrl】+【k】を利用する
もう一つの方法として、【ctrl】+【k】のショートカットキーを利用する方法があります。
これはUiPathの各アクティビティの値が設定可能な欄において、【ctrl】+【k】を押すことで変数を随時作成する方法となります。
この方法で作成した場合、変数の型が適切な型に自動的に設定され、スコープが最も狭い範囲に設定されます。
おまけ:不要な変数の削除
以前はなかったのですが未使用な変数は一括で削除できるようになりました。
UiPath Studio の上部パネルから [未使用を削除]-[変数] を選択することで全く使用されていない変数を一括で削除できます。
最後に
今回は変数に関する事柄について書いてみました。
少しとっつき辛い変数ですが、利用するメリットはその倍くらいはあります、といいますか変数を利用しない自動化はまずないでしょうか。
まだ使ったことがないという方もとりあえずの気持ちで使い始めてみてはいかがでしょうか。
ご不明点等あれば気軽にコメント等ください。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございます。
では。